• 佐藤 弘
    埼玉医大国際医療センター消化器外科
  • 宮脇 豊
    埼玉医大国際医療センター消化器外科
  • 李 世翼
    埼玉医大国際医療センター消化器外科
  • 桜本 信一
    埼玉医大国際医療センター消化器外科
  • 牧田 茂
    埼玉医大国際医療センターリハビリテーション科

抄録

 周術期早期回復プログラムの1つにEnhanced Recovery after Surgery (ERAS®)という概念がよく知られている. 当初は, 高度侵襲手術の1つに分類される胸部食道癌手術には適用が困難とも考えられていたが, 次第に普及し, 効果的に運用されている. しかしながら, 適用が進むにつれて, 多くの問題点が認められるのも現状と考えられる. 確かに“早期に回復する”ことは重要である. しかし周術期だけのアウトカムがよければよいというものではない. 本来, 本プログラムを適用することによって, 術後6カ月, 1年など中長期的にみても有用であることを証明しなければいけないと考える. また診療報酬上も, 適切に評価されるべきと考えられる. 診療報酬として算定されることになれば, 本プログラムがより多くの施設で適用されるようになり, 医療の質の向上につながることが期待される. <br>  本稿は, 消化器癌の中でも高度侵襲手術の1つに分類される胸部食道癌根治手術を例にとり, ERAS術後早期回復プログラムの問題点について述べたい.

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参考文献 (6)*注記

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