高安動脈炎による左総頸動脈閉塞に合併した前交通動脈囊状動脈瘤破裂の1剖検例

DOI Web Site 参考文献17件 オープンアクセス
  • 吉村 基
    九州大学大学院医学研究院神経病理学 九州大学大学院医学研究院神経内科学
  • 西村 中
    九州大学大学院医学研究院脳神経外科学
  • 有村 公一
    九州大学大学院医学研究院脳神経外科学
  • 下川 能史
    九州大学大学院医学研究院脳神経外科学
  • 鈴木 諭
    九州大学大学院医学研究院神経病理学
  • 溝口 昌弘
    九州大学大学院医学研究院脳神経外科学
  • 岩城 徹
    九州大学大学院医学研究院神経病理学

書誌事項

タイトル別名
  • Ruptured anterior communicating artery aneurysms associated with left common carotid artery occlusion due to Takayasu arteritis: an autopsy case report

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説明

<p>症例は42歳の男性.23年前に左総頸動脈と左鎖骨下動脈の閉塞を伴う高安動脈炎と診断されたが,内服加療により血管炎の活動性は落ち着いていた.経過中,腎性高血圧の指摘があり,降圧剤が処方された.今回,突然の頭痛を主訴に前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症した.各種治療を施すも,再破裂や脳血管攣縮,脳梗塞を合併し死亡した.剖検にて前交通動脈に複数の囊状動脈瘤を認めたが,組織学的に血管炎や粥状硬化および壁の解離を認めなかった.高安動脈炎により左総頸動脈は外頸動脈分岐部直前まで閉塞していたが,内頸動脈は開存していた.高安動脈炎では,脳梗塞,一過性脳虚血発作の合併頻度が高いが,動脈瘤形成やくも膜下出血に関する報告は少ない.抗血小板剤の使用も推奨される本疾患において,血行力学的機序によると考えられる脳動脈瘤破裂のリスクや寛解期における閉塞血管の血行再建術についても考慮する必要があると思われる.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 44 (1), 46-52, 2022

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (17)*注記

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