微細藻類オーランチオキトリウムのロコモティブシンドローム改善効果

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  • Extracts of <i>Aurantiochytrium</i> alga improves symptoms in knee osteoarthritis and muscle atrophy models

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抄録

<p>目的:微細藻類であるオーランチオキトリウム(Aura) 藻体は,DHA をはじめとするn-3 系の不飽和脂肪酸を効率的に合成・蓄積することから,機能性食品への応用が期待されている.本研究では,Aura 摂取による自然発症型変形性関節症(OA)マウスおよび廃用性筋萎縮マウスの改善効果について検討を行った.</p><p>方法:自然発症型OA マウスSTR/Ort マウスにAura 油分抽出物(Aura O)を投与し,膝関節の組織の状態を観察した.雌性マウスを非OA 発症Control 食群(non-OA),雄性マウスをOA 発症Control 食群(OA-Cont),OA 発症Aura 油分抽出食群(OA-Aura O)の3 群を設定した.廃用性筋萎縮マウスモデルは,Slc:ICR マウス(8 週齢)の後足を固定することで作製した.非固定+Control 食群(非固定Cont),固定+Control 食群(固定Cont),固定+Aura 油分抽出物群(固定Aura O),固定+ オーランチオキトリウム藻体群(固定Aura)の4 群を設定した.予備飼育期間中から3 週間,被験物質を投与した.2 週間の固定後に解剖を行い,体重,筋肉湿重量,筋線維横断面積を測定した.</p><p>結果および考察:OA モデルに被験物質を投与したところ,膝関節部のOA 状態がOARSI 法(p=0.18)および Mankin 法(p=0.16)ともに有意差はなかったものの平均スコアの改善傾向が認められた.よって,OA 進行がAura O 投与によって抑制されていることが示唆された.廃用性筋萎縮モデルにおいて,Aura 抽出物の投与によりヒラメ筋の筋線維横断面積の回復が認められた.固定Aura O 群において,腓腹筋のユビキチンリガーゼであるAtrogin-1 の発現量が減少したことから,タンパク質分解を抑制することで筋萎縮を改善した可能性が示唆された.</p>

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