指示対象の捉え方から見るソとアの使い分け

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  • シジ タイショウ ノ トラエ カタ カラ ミル ソ ト ア ノ ツカイワケ

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日本語の指示詞コ・ソ・アについては、従来、多くの研究がなされてきた。談話における聞き手の存在の重要性に関心を向けた研究者もいれば、聞き手の立場を全く考慮せず、指示詞選択の判断を全て話し手に帰する研究者もいる。本稿では、ソとアに焦点を当てながら、談話において話し手のみならず、聞き手の存在も指示詞の選択に重要な役割を果たすと主張する。また、ソとアの使い分けに関わる要因は、田窪・金水が提案した話し手の直接的経験・間接的経験という説が常に当てはまるのではなく、談話における聞き手の存在及び、話し手と聞き手が指示対象をどのように捉えているかということが関わっていると考える。データ分析の結果、直接的経験・間接的経験という説で説明できない場面が多いということが明らかになった。また、話し手と聞き手の指示対象の捉え方から生まれるソとアの使い分けについて新しい仮説を立て、考察を行った結果、「ソ」と「ア」は、話し手と聞き手の指示対象に対する認識のレベルや関わりの度合いによって使い分けがなされるということが分かった。

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