縄文時代の建築用主要道具について–木の建築をつくる技術と道具の歴史に関する調査報告その2 –

DOI
  • 渡邉 昌
    財団法人竹中大工道具館主任研究員博士(工学)

書誌事項

タイトル別名
  • Major Architectural Tools Used in the Jomon Period –Second Report Research on Technology and History of Tools Used for Building Wooden Structures –

抄録

約4,000年前の出土建築部材の調査と復元実験の結果、縄文時代の建築用主要道具に関して、次のように要約するこができる。 (1) 約4,000年前に高床建築が存在していた。 (2) 高床建築の部材は、ホゾ・ホゾ穴などの仕口によって接合されていた。 (3) 建築用材は、ほとんどがクリ材であった。 (4) 約4,000年前の建築部材は、蛇紋岩磨製石斧によって加工されたと考えられる。 (5) 伐木段階では、縦斧形式の大型石斧が主要な道具であった。 (6) 製材段階では、縦斧形式の大型石斧、木製クサビ、横斧形式の大型石斧が主要道具であった。 (7) 建築部材加工段階では、縦斧・横斧形式の石斧と石鑿とが主要道具であった。 (8) 巨木柱を主体とした軸組を建て起こすためには、多くの人数を必要とした。 (9) 今回の復元実験で、縄文時代の建築部材加工に、石鑿が重要な役割を果たしていたことが明らかとなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572404769005696
  • NII論文ID
    130008149587
  • DOI
    10.50862/dougukan.12.0_1
  • ISSN
    24361453
    09153683
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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