術後に粘液瘤を形成した胆管十二指腸瘻合併巨大十二指腸潰瘍穿孔の1例

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タイトル別名
  • A Case of Myxoma after Surgery for Giant Duodenal Ulcer Perforation with a Choledochoduodenal Fistula
  • ジュツゴ ニ ネンエキリュウ オ ケイセイ シタ タンカン ジュウニシチョウロウガッペイ キョダイ ジュウニシチョウ カイヨウ センコウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は51歳,男性.路上生活者.心窩部痛を10日間我慢していた.CTでfree air,十二指腸球部の不整な肥厚,膿瘍形成を認め,十二指腸穿孔の診断で手術を行った.十二指腸球部は大きく欠損し,総胆管との瘻孔を認めた.十二指腸を下行脚近位で離断し,胃前庭部切除術・B-II再建,胆嚢摘出術(胆道外瘻)を実施した.潰瘍底が膵頭部と強固に癒着し,剥離困難であったため,粘膜を凝固し温存した.3カ月後に粘膜遺残部に粘液瘤を認めた.留置したドレーンからOK-432やエタノールを注入したが,内腔は閉鎖しなかった.次に,ドレーン孔を拡張して内視鏡と泌尿器科デバイスを挿入し,瘤内部の粘膜を焼灼した.以後,粘液流出は止まり,病変も縮小した.巨大十二指腸潰瘍穿孔は標準化された術式がなく,予後不良な病態とされる.われわれは,十二指腸憩室化と胆道外瘻化により腸液の制御はできたが,粘液瘤という稀な合併症を経験したため報告する.</p>

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参考文献 (15)*注記

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