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- 高木 信
- 相模女子大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Self-Referential Narration in “Saikoro-no-nana-no-me,” or A Critique of Textbook Censorship: Escape from Infinite Binarism: Texts in the Classroom 5
- 〈カタリ〉を生成する「骰子の七の目」(恩田陸)、あるいは「取り締まる」教科書批判 : 「二者択一」という無限ループからの脱出。〈教室〉のなかのテクスト論(5)
- 〈 カタリ 〉 オ セイセイ スル 「 サイコロ ノ ナナ ノ メ 」(オンダ リク)、 アルイハ 「 トリシマル 」 キョウカショ ヒハン : 「 ニシャタクイツ 」 ト イウ ムゲン ループ カラ ノ ダッシュツ 。 〈 キョウシツ 〉 ノ ナカ ノ テクストロン(5)
- ――「二者択一」という無限ループからの脱出。〈教室〉のなかのテクスト論5――
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説明
<p>本稿は、「骰子の七の目」というテクストが、語り手である「私」たちが開く戦略会議で議論される「二者択一」が、実はさまざまな要素を比較して一つを選ぶことに重点を置くのではなく、ブラック・ボックスのような「良識」に合わせて一つを選んでいるという点において〈おかしい〉こと、「正義」に見える「若い女」だが、「私」たちを批判する論理も「二者択一」でしかなく、「女」が示す自由が国家権力を背景にした〈与えられたもの〉でしかないことが、「私」の〈語り〉をとおして見えてくるような、〈騙り〉の審級が発動する〈カタリ〉のテクストであることを論じた。このように語る主体である「私」の語りを読むことで、「若い女」の論理や行為に偏向があることを〈騙る〉テクストであることが見えてくる。「私」を批判し、「女」をも批判することができる〈カタリ〉のテクストなのである。「若い女」の論理を称揚することの危険さに気づくことができる〈語り/騙り〉のシステムが「骰子の七の目」にはあり、それを教室で気づくことが思考の柔軟性を育てる=創造的テクストとして機能するのである。</p>
収録刊行物
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- 日本文学
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日本文学 66 (1), 68-80, 2017-01-10
日本文学協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572433059700096
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- NII論文ID
- 130008151266
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- NII書誌ID
- AN00197092
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- ISSN
- 24241202
- 03869903
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- NDL書誌ID
- 027832469
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可