書誌事項
- タイトル別名
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- ボイン シイン ノ ガイネン ト ゴジュウオンズ
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説明
明治期の日本語文典には、五十音図に基づいた音の説明が見られる。本稿ではその中に現れる「母音」「子音」「父音」などの用語とその概念の背景を考察し、近世期における音声分析の実態を示した。伝統的音韻学では「ア行音=母」とされる。これは悉曇学で母音字を意味する単語mātṛkā, mātā(母の意)に由来する。悉曇学の哲学的認識と漢語音韻学の「韻」概念が融合し、近世期のア行音の記述が完成した。国学派の一派である音義派は、漢語音韻学の反切の理論を音図に適用して仮名反切を行い、音図の力行以下45音を分析した。これによりカ行以下45音が2音の結合であるという認識が示される。本来反切上字は子音を表示するが、仮名文字による反切では純粋な子音概念に到達できない。洋学者たちは、音素文字の獲得によって現代の子音の概念を理解した。現在使用される「子音」の語は彼らによる造語である。
収録刊行物
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- Nagoya Linguistics
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Nagoya Linguistics 2 15-26, 2008-03-31
名古屋言語研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572511992933120
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- NII論文ID
- 120007188338
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- NII書誌ID
- AA12208922
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- HANDLE
- 2237/0002002022
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- NDL書誌ID
- 9765786
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- ISSN
- 18818072
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可