院内製剤業務支援システムの開発と有用性の評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Development and Evaluation of a Task Support System for Hospital Formulations

この論文をさがす

抄録

<p> 今日の薬剤業務では,様々な支援システムを利用することによって,効率化と安全性の向上が図られている.しかしながら,院内製剤業務においては,部分的な業務のシステム化を図った報告はあるものの,原料・製剤品の在庫・期限管理や調製・監査業務全般を管理するシステムの開発に関する報告は少ない.今回,われわれは院内製剤業務全般を管理することを目的として「院内製剤業務支援システム」(以下,業務支援システム)を開発し,その有用性を評価したので報告する.業務支援システムのデータベースは,原料品,中間品,製剤品および器具マスタを基本構成とし,バーコードによる入出庫,ロット管理を可能とした.また,院内製剤録に基づきレシピマスタを登録し,重量監査および画像撮影機能を導入することで調製の標準化と安全性の担保を図った.調製後は,院内製剤に関する情報が印字されたラベルおよび製剤記録表を自動発行し,在庫管理を可能とした.有用性の評価として薬剤師を対象に,業務支援システム使用・非使用時における院内製剤品の製剤記録表作成,調製,監査,在庫調整に要する時間を計測した.その結果,システム使用時に要する時間は,非使用時と比較していずれの品目においても有意差をもって短縮された.本システムの導入は,調製手順の標準化による安全性の担保と業務改善を可能にしたと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 40 (5), 247-255, 2021-01-27

    一般社団法人 日本医療情報学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ