【総説】難治性過活動膀胱の新知見:現在の課題と今後の展望

この論文をさがす

説明

過活動膀胱は,2002 年に国際禁制学会によって,「尿意切迫感を必須とした症状症候群で あり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴い,切迫性尿失禁は必須ではない」と定義され,本邦では,1000万人以上の人が過活動膀胱に罹患しているといわれている。超高齢社会を迎えている本邦において,QOL に影響を与える過活動膀胱の治療はますます重要な課題である。過活動膀胱は,行動療法や抗コリン薬,β 3 アドレナリン受容体作動薬による薬物療法で良好な治療効果が得られているが,中には治療抵抗性の難治性過活動膀胱の患者もいるため,新規治療薬の開発が期待されている。 山梨大学泌尿器科学講座でも難治性過活動膀胱おける病態解明と新規薬物療法の開発を目的として,「尿中の尿路上皮細胞を用いたプレシジョンメディシン」や「メタボロミクス解析を用いた難治性過活動膀胱のバイオマーカーと新規治療ターゲットの探索」などの研究に取り組んでいる。今後も基礎研究,臨床研究ともにさらなるエビデンスの蓄積が必要であるため,この分野の発展に寄与していきたいと考えている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ