ヘテロキラルADENYLYL-(3’-5’)-ADENOSINEのらせん構造およびPOLY(U)との三重鎖形成能

書誌事項

タイトル別名
  • HELICAL STRUCTURES OF HETEROCHIRAL ADENYLYL-(3’-5’)-ADENOSINES AND THEIR ABILITY TO FORM TRIPLE HELIX WITH POLY(U)

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説明

<p> リボ核酸 (RNA) のホモキラリティーの確立という問題に対するモデルを構築する一環として,adenylyl-(3’-5’)-adenosine (ApA) の4種の光学異性体[D-(ApA),ADpAL,ALpADL-(ApA)]を合成し,これまで明らかにされていないヘテロキラルなApAの構造を解析する目的で以下の検討を行った.幾つかの核酸分解酵素による分解反応で,D-(ApA)は完全に分解されるが,L-(ApA)は分解反応を受けなかった.一方,ヘテロキラルなダイマーの酵素分解反応はL型アデノシンの位置および酵素の種類に依存した.円二色性 (CD) スペクトルからD-(ApA)とALpADは右巻きらせんを,L-(ApA)とADpALは左巻きらせんを形成することが明らかになり,これらのpoly(U)との三重鎖形成能はダイマー単独でのらせんの巻き方に強く依存しており,左巻きらせんを形成するL-(ApA)とADpALはpoly(U)との三重鎖の熱安定性は大きく低下した.以上の結果から,ApAの3'-末端側残基のキラリティーがApAのらせんの巻吉方やpoly(U)との三重鎖形成能を強く支配していることが明らかになった.今回得られた知見を基に,RNAの化学進化とホモキラリティーの起源について考察した.</p>

収録刊行物

  • Viva Origino

    Viva Origino 30 (4), 173-181, 2002

    生命の起原および進化学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572642465308928
  • NII論文ID
    130008163031
  • DOI
    10.50968/vivaorigino.30.4_173
  • ISSN
    13466933
    09104003
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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