非機能性膵神経内分泌腫瘍と術前診断した無症候性paragangliomaの1例

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タイトル別名
  • Asymptomatic paraganglioma preoperatively diagnosed as a non-functioning pancreatic neuroendocrine tumor: a case report

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抄録

<p>症例は40歳,男性.検診の腹部超音波検査で肝に異常を指摘され,近医を受診した.CTで膵尾部腫瘍を認め当院に紹介となった.造影CTでは膵尾部と左副腎の間に辺縁主体に濃染する腫瘍を認めた.MRIではT2強調像で内部が高信号,辺縁が低信号,造影早期相で辺縁が濃染する所見を認めた.膵尾部と腫瘍の間に介在する組織ははっきりせず,膵原発であると判断した.超音波内視鏡では膵尾部,左副腎と離れて境界明瞭,類円形,内部不均一の低エコー腫瘤を認めた.EUS-FNAを施行し膵神経内分泌腫瘍の診断となり腹腔鏡下膵体尾部切除・脾合併切除術を施行した.病理検査ではparagangliomaの診断となった.膵神経内分泌腫瘍とparagangliomaの画像所見には類似した点があり鑑別が問題となる.また膵周囲に発生した腫瘤の場合,膵原発であるか膵外病変であるのかについて注意深い検討が求められる.</p>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 37 (1), 55-62, 2022-02-28

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (9)*注記

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