術前にダブラフェニブ/トラメチニブを投与した耳前部原発悪性黒色腫の1例

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  • Case of preauricular primary malignant melanoma treated with preoperative dabrafenib/trametinib

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<p>41歳，女性。右耳下腺腫瘍，頸部リンパ節転移の診断で，当院耳鼻咽喉科を受診した。右耳下腺切除および右頸部リンパ節郭清を施行し，病理組織学的に悪性黒色腫（MM）の診断を得たため当科を紹介された。当科受診時，右耳前部に原発と考えられる5.6×6.5mmの黒色結節を認めた。切除術を施行し，皮膚原発MM（Stage Ⅳ，PD－L1陽性，BRAF V600E変異あり）と診断した。2ヵ月後，右腋窩リンパ節，右乳房皮膚および右下腹部への転移を認めた。当院乳腺外科で右腋窩郭清，右乳房部分切除を予定したが，coronavirus disease 2019のパンデミックによる医療制限のため手術を延期した。社会的切除不能例として，ダブラフェニブ/トラメチニブを投与し，開始2ヵ月後に，臨床的完全奏功を得た。開始4ヵ月後に，医療制限が緩和されたため，右腋窩郭清および右乳房部分切除を施行し病理学的完全奏功を確認した。自験例は結果的にダブラフェニブ/トラメチニブを根治術前補助療法として使用したことになる。本邦で根治術前補助療法としての保険適応はないものの，進行期MMの治療戦略の一環として有用性が示唆された。</p>

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