睡眠中の心電図を用いた概日深部体温リズムの最下点の推定

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  • Estimating the Lowest Point in the Circadian Core Body Temperature Rhythm Using Electrocardiogram during Sleep

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抄録

<p>【背景】若年層では概日リズムの位相が遅れているため,学校の生活リズムに適応せず,本来の能力を発揮できない学生がいる.従来の概日リズム測定法は,侵襲性が高く,日中の運動が制限されているため,日常的なモニタリングには適していなかった.そこで本研究では,睡眠中に心拍数が最も低下し,外部からの刺激を受けにくいことに着目した.そこで,日常的に概日リズムの位相変化を明らかにするために,睡眠中の心電図を用いて概日リズムの最下点を推定する方法を提案した.</p><p>【方法】研究対象者は計8名(年齢22.1±0.6歳)であった.睡眠中に心電図と深部体温(基準データ)を計測した.我々の提案した方法で解析した後,心拍数と深部体温の最下点の時間差の絶対値(誤差時間)を算出し,相関関係を調べた.また,通常の睡眠/覚醒時間と,推定された概日リズムの最下点の時間との関係を調べた.</p><p>【結果】提案した概日リズム最下点推定法の信頼性は高いことが示された(時間誤差:14.1±10.1分,相関係数:0.79±0.12).これらの結果は,心電図を用いて推定した概日リズムと,深部体温から算出された基準概日リズムと比較して得られた.</p><p>【結論】睡眠中の心電図による概日リズム最下点推定の実用性と有効性が確認された.今後,ウェアラブル機器を用いて心電図計測を実装したシステムに適用することで,日々の健康増進に役立つだけでなく,概日睡眠障害を対象とした臨床研究への応用が期待される.</p>

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