右上腕に発生したランゲルハンス細胞肉腫の 1 例

  • 石井 脩平
    がん研究会有明病院臨床病理センター病理部
  • 古田 則行
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 伊藤 崇彦
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 山田 麻里沙
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 山﨑 奈緒子
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 池畑 浩一
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 藤山 淳三
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 阿部 仁
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 杉山 裕子
    がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
  • 竹内 賢吾
    がん研究会有明病院臨床病理センター病理部 がん研究会がん研究所病理部 がん研究会がん研究所分子標的病理プロジェクト

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Langerhans cell sarcoma of the right upper arm

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抄録

<p>背景:ランゲルハンス細胞肉腫(Langerhans cell sarcoma,以下 LCS)はきわめてまれな腫瘍である.今回,右上腕に発生した LCS を経験したので報告する.</p><p>症例:50 歳代,男性.右上腕腫瘤を自覚したため前医を受診.その 4 ヵ月後に右腋窩腫瘤や左側胸部腫瘤にも気づき,当院紹介受診.右上腕腫瘤からの針生検では確定診断にはいたらず,切開生検が施行された.切開生検時の圧挫細胞診では,泡沫状ないしレース様の広い細胞質を有する腫瘍細胞を孤立性に多数認めた.明瞭な核小体やコーヒー豆様の核溝を有する腫瘍細胞が混在してみられた.また,多核巨細胞や核分裂像も散見され,ランゲルハンス細胞由来の腫瘍を疑った.組織診では,淡好酸性の広い胞体と切れ込みや脳回状の核縁を呈する核や明瞭な核小体を有する細胞のびまん性増生を認めた.巨核・多核細胞や核分裂像も散見された.臨床情報を加味し LCS と診断された.</p><p>結論:ランゲルハンス細胞由来の腫瘍を疑った際に,好酸球の出現がなく明瞭な核小体を有する異型細胞が混在し,多核巨細胞や核分裂像が目立つ場合には臨床情報を加味し,LCS も鑑別に挙げる必要がある.</p>

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参考文献 (11)*注記

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