認知症グループホームでの看取りに対する総合病院の医師および看護師の捉え方-医療職の立場と家族の立場での検討-

DOI Web Site Web Site Web Site 参考文献2件 オープンアクセス
  • 永田 千鶴
    山口大学大学院医学系研究科地域・老年看護学
  • 堤 雅恵
    山口大学大学院医学系研究科地域・老年看護学
  • 野垣 宏
    山口大学大学院医学系研究科地域・老年看護学
  • 清永 麻子
    山口大学大学院医学系研究科地域・老年看護学

書誌事項

タイトル別名
  • Perspective of Doctors and Nurses in a General Hospital on End-of-life Care at Group Homes for Older People with Dementia;The Standpoint of a Healthcare Professional and a Family
  • ニンチショウ グループ ホーム デノ ミトリ ニ タイスル ソウゴウ ビョウイン ノ イシ オヨビ カンゴシ ノ トラエカタ : イリョウショク ノ タチバ ト カゾク ノ タチバ デノ ケントウ

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抄録

<p>高齢化に伴い死亡者数が増加する中,最期を迎えたい場所を「自宅」と答える人が7~8割と報告する全国規模の調査や,医療機関での死亡率の減少と施設での死亡率の増加を示す人口動態調査,政府による在宅医療推進を目的とした施策の展開から,今後,自宅に加え,小規模で家庭に近い環境をもち居宅に位置づけられる認知症対応型共同生活介護(以下,グループホーム)での看取りに対する需要の増加が予測される.現在,グループホームでの看取りは全退去者の約2割であり,その促進が期待されている.そこで,本研究では,グループホームでの看取りの促進を目指した啓発活動の資料を得るために,総合病院に勤務する医師および看護師のグループホームでの看取りに対する捉え方を調査した.質問紙調査は,医師と看護師の属性のほか,グループホームの主観的な知識を4段階で問い,グループホームでの看取りの捉え方に関して事例を用い,看取るべき場所はグループホームか病院か,仕事および家族の立場での7段階で問うた.医師193人(回収率54.1%,有効回答率97.5%),看護師670人(回収率93.2%,有効回答率98.1%)のデータを分析した.グループホームの主観的な知識は,医師と看護師間で差を認めず,75%以上が知っていた.グループホームでの看取りの捉え方について,医師は,年代,性別,在職期間および仕事と家族の立場に影響を受けず,看護師よりもグループホームで看取るべきとした.看護師は,介護が身近となった40歳以上,また在職期間が10年以上の人は,よりグループホームで看取るべきと捉え,家族の立場で著明だった.本研究の結果から,グループホームでの看取りの促進に対して,総合病院の医師および看護師の理解は得やすいと考えられる.グループホームでの看取りを実現する次の段階は,グループホームでの終末期医療に対する総合病院の医療職のかかわり方を,行動レベルで検討する研修会などの実施が考えられた.</p>

収録刊行物

  • 山口医学

    山口医学 68 (4), 127-137, 2019-12-11

    山口大学医学会

参考文献 (2)*注記

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