体腔内吻合を用いた完全腹腔鏡下結腸切除術の治療成績

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Evaluation of Totally Laparoscopic Colectomy with Intracorporeal Anastomosis
  • タイコウ ナイ フンゴウ オ モチイタ カンゼン フククウキョウ カ ケッチョウ セツジョジュツ ノ チリョウ セイセキ

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説明

<p>【背景・目的】腹腔鏡下結腸切除術における消化管再建は体腔外で行われることが一般的である.腸管を体外へ誘導するために広範囲の腸管剥離や受動が要求され,腸管切除・吻合の際に腸管牽引による出血も経験する.これらの問題を解決するために体腔内吻合が行われているが,その有用性については明らかではない.本研究は当科で行った腹腔鏡下結腸切除術における体腔内吻合症例と体腔外吻合症例を比較し,その有用性を検討することを目的とした.</p><p>【対象と方法】当科で行った腹腔鏡下結腸切除術症例160例を後方視的に検討した.</p><p>【結 果】対象期間内に施行された体腔内吻合症例(IA群)は69例で,体腔外吻合症例(EA群)は91例であった.患者背景はIA群に比較的早期癌症例が多く,リンパ節郭清範囲や郭清個数に差が認められた.手術成績ではIA群の出血量が有意に少なく,両群間の手術時間に差は認められなかった.腹腔内膿瘍をはじめとした術後合併症の発生頻度に差は認められなかった.術後腫瘍再発の再発部位に両群の差は認められなかった.</p><p>【結 語】腹腔鏡下結腸切除術における体腔内吻合は低侵襲性に優れた手技で有用である可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 北関東医学

    北関東医学 72 (1), 35-42, 2022-02-01

    北関東医学会

参考文献 (12)*注記

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