即時型食物アレルギーの検査検査でどこまで子どものアレルギーを診断できるか~アレルギー検査の進歩を知る~

  • 永倉 顕一
    国立病院機構相模原病院小児科 東京慈恵会医科大学小児科
  • 海老澤 元宏
    国立病院機構相模原病院臨床研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Testing for immediate-type food allergy How far can testing diagnose allergies in children? The progress in testing for allergic disease

抄録

<p>即時型食物アレルギーの診断のGold standardは食物経口負荷試験(OFC)であるが,他の検査によりOFCのリスクを軽減できる.</p><p>特異的IgE抗体価から症状誘発の確率を予測したプロバビリティカーブが報告されているが,対象集団の年齢,OFCの方法などの影響を受ける.近年,アレルゲンコンポーネント特異的IgE抗体検査が日常臨床で利用可能となり,鶏卵のオボムコイド,小麦のω-5グリアジン,種実類では2SアルブミンであるピーナッツのAra h 2,クルミのJug r 1,カシューナッツのAna o 3のカットオフ値が報告されている.</p><p>乳児では特異的IgE抗体陰性でも皮膚プリックテスト(SPT)陽性で診断に至る場合もある.ソバのSPTは特異的IgE抗体検査より診断に有用である.</p><p>免疫学的検査の進歩により即時型食物アレルギーの診断精度は向上しているが,現状では確定診断にはなり得ない.一方でOFC前のリスク評価としての重要性は高まっており,今後は層別化診療を容易にするアプリケーションの開発が望まれる.</p>

収録刊行物

参考文献 (32)*注記

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