時間的展望を媒介とした青年期における自己肯定感が精神的健康に及ぼす影響 : 親の受容的な養育態度および仲間からの被受容感に焦点をあてて

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  • The effect of self-affirmation in adolescence on mental health through a temporal perspectives : Focus on parents' receptive upbringing attitudes and peer acceptance

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抄録

本研究の目的は,児童期及び青年期の親の養育態度および仲間経験が自己肯定感や時間的展望にどのように関連しており,またそれらが精神的健康にどのような影響を及ぼすのかについて検討を行うことであった。まず,児童期と青年期の両時期ともに着目した親の養育態度と自己肯定感,時間的展望との関連について明らかにするため,大学生48名を対象に予備調査を行った結果,青年期においては親の養育態度と自己肯定感,自己肯定感と時間的展望との間にそれぞれ関連があることが示唆されたが,児童期においては有意な結果が得られなかった。次に,予備調査の結果を踏まえ,大学生1023名を対象に本調査を行った。近年の家庭環境の多様化の影響によって,子どもが認知する養育者は多様であることが考えられた。そこで,調査対象者に主な養育者(両親,母親,父親)を思い浮かべてもらった。その結果,主な養育者として両親,母親,父親の順に多かった。その養育者として思い浮かべた養育者別に分析を行った。その結果,両親・母親のみを想起した青年期のモニタリング的な養育態度,父親のみを想起した児童期の受容的な養育態度および児童期・青年期の仲間からの被受容感によって,自分自身を前向きに捉えることができ,その自己肯定感が時間的展望に肯定的な影響を与え,それが精神的健康につながることが示された。

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