反応化学種の電極表面への吸着による電気化学的応答

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  • Electrochemical Response by Adsorption of Reactive Species on the Electrode Surface
  • ハンノウ カガクシュ ノ デンキョク ヒョウメン ヘノ キュウチャク ニヨル デンキ カガクテキ オウトウ
  • ハンノウ カガクシュ ノ デンキョク ヒョウメン エ ノ キュウチャク ニ ヨル デンキ カガクテキ オウトウ

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抄録

電子やイオンの流れを利用した生物の裔度なメカニズムを解明する「生物電気化学」では、温和な条件下で酵素などの生体関連物質の電気化学反応を実現できるため、バイオセンサやバイオ燃料電池への展開が可能で、電極の触媒機能を分析する最良の方法はおそらくサイクリックボルタンメトリである。リン酸緩衝液(PBS) 中で、電極としてボールミルで粉砕処理したグラファイト(pGr) を使用して、ドーパミン(DA) のサイクリックボルタモグラムを測定すると、末処理グラファイト電極の場合に比べて酸化還元ピークの増強をもたらす。DAのピーク電流は、粉砕時間などの前処理条件に大きく影響する。電極反応をスムースに進行させる効果(電極触媒効果)は、pGrの被覆によるガラシーカーボン電極(GCE)表面の粗面化が強調されることによる。つまり、粉砕や電解処理により、pGr表面にカルボニル基(C=O)、カルボキシ基(-COOH)、エポキシドなどが導入されていると考えられ、酸化還元反応の触媒として作用し、さらにベンゼン環表面のスタッキング、pGrとDAのπ-π相互作用、水素結合などが関与していると考えられる。また、これらのことは、PBS (H_3PO_4) の電気化学的現象であるため、pGr表面にリン酸基(H_2PO_4^-、HPO_4^{2-}、PO_4^{3-})などの化学種が導入されることも予想される。一方、このような電流応答特性の掃引速度依存性において、ピーク電流値(酸化ピーク、Ipaおよび還元ピーク、Ipc) と掃引速度との間に線形関係が認められ、電気化学の基本方程式であるネルンストの式から、電極活性種(DA)の電極表面への吸着が示唆され、表面吸着制御機構の電極反応と考える。

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