地方公営企業における組織の自律性 ―日本の二大都市水道事業の事例研究―

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  • チホウ コウエイ キギョウ ニ オケル ソシキ ノ ジリツセイ : ニホン ノ ニ ダイトシ スイドウ ジギョウ ノ ジレイ ケンキュウ

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抄録

<p> 本論文では,日本の地方公営企業制度における組織の自律性の特性について検討する。日本の地方公営企業は,地方自治体の直営企業であり,その経営管理機能は,議会,直接公選の首長,公営企業の管理者の三者によって分有されている。その制度設計と運用により,地方公営企業の自律性のあり方は地方自治体間で多様となり得る。本論文では,地方公営企業の経営内容の違いを生み出す要因として,この自律性の違いに注目する。水道事業の財務情報や施設水準に関する情報,各種法令や行政文書,議会議事録,さらに行政職員による雑誌論文等を用いた事例研究の方法により,1990 年代半ばから2000 年代までの期間を対象として,「高いが頑健な水道」を実現した東京都と「老朽化しているが,安い水道」を持つようになった大阪市の違いが地方公営企業の自律性の違いによって生み出されたことを検証する。その上で,日本の地方公営企業制度の下において組織の自律性の高さが,中長期的な視点からの経営に資する可能性を持つことを論じる。</p>

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