抄録
<p>妊娠中から出産後20年まで追跡した親子の縦断研究に基づき,母親の子育て意識が子どもの発達に伴ってどう変化するかを調べた。本研究は1984年に始まったもので,既に子どもの問題行動の発生機序などいくつかの知見を報告している(菅原ほか,1999)。首都圏の総合病院産科を受診した妊婦1300名あまりに対し,繰り返し質問紙調査を依頼し回答を得た。今回報告するのは生まれた子どもが6ヶ月,1歳半,5歳,10歳,14歳,18歳,22歳の期間に母親が回答した子育て意識である。各期で子育てに対するポジティブな側面とネガティブな側面を表す同じ質問項目に対し5段階評定を求めた。各期において子育て意識の構造はほぼ同様であったため,同じ項目で構成したポジティブ意識とネガティブ意識をそれぞれ算出した。ポジティブな子育て意識は乳児期(6ヶ月,1歳半)で高く,その後は一定で変動が少なかった。ネガティブな子育て意識は1歳半で低く,その後上昇して5歳および子どもが10代になった時に高くなることが示された。子どもが成人して以降,子育てを振り返った時にはポジティブ,ネガティブ双方の子育て意識が上昇していた。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PO-062-PO-062, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390573242749752192
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可