「正直ノ道」

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書誌事項

タイトル別名
  • <i>Seichoku no Michi</i>
  • Yoshimi Kōwa and His View on Ritual and Politics
  • 吉見幸和の祭政観

抄録

<p>尾張大國霊神社の儺追神事は、寛保年間まで儺貞捕という儀礼が行われ、刃傷沙汰などの様々な混乱を引き起こしていた。そのため尾張藩では、この問題に対処するため、専門家として吉見幸和(一六七三―一七六一)に意見を求めた。彼は独自の国史官牒主義を打ち立て、故実に基づきそれまでの習合的な神道説を論断してきたことで知られている。しかし儺追神事について論じた『儺追問答』では、この神事について故実や習合的な神事といった点については半ば目をつむり、それよりも民を困苦させる「淫祀」であったことに、その批判の矛先を向けている。</p><p>本論では、この『儺追問答』で幸和自身が自らの主張の基調にあったと述べている「正直ノ道」を手掛かりに、従来の研究史で語られてきた彼の思想を改めて問い直し、さらには彼の正直論が後の彼の神道の定義にも通底する祭政観の先駆的な実例であったことを明らかにした。</p>

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 95 (3), 25-48, 2021-12-30

    日本宗教学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573242749788288
  • DOI
    10.20716/rsjars.95.3_25
  • ISSN
    21883858
    03873293
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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