薬剤投与が発症に関与したと思われる気腫性胃炎の1例

DOI
  • 松成 修
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター 大分大学医学部附属病院 消化器内科
  • 鍋田 祐介
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター
  • 山村 亮太
    大分大学医学部附属病院 薬剤部
  • 柴田 智隆
    大分大学医学部附属病院 高度救命救急センター 大分大学医学部附属病院 消化器外科小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Emphysematous Gastritis Caused by Drug Induction

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抄録

<p>症例は93歳男性.重症熱中症による痙攣後のTodd麻痺のため経口摂取が困難であり,経鼻経管栄養を実施していた.偽痛風の診断にて投与開始したロキソプロフェンナトリウムと,同じタイミングで投与されたミヤBM®の投与開始後に腹痛を訴え,CT検査・レントゲン画像にて門脈気腫をともなう胃粘膜気腫を認めた.気腫性胃炎と診断したが,安静と抗菌薬投与による保存的加療によって胃全摘出を免れることができた.内視鏡検査により採取した胃粘膜の培養検査にてClostridium butyricum(以下,C. butyricumと略)が分離同定され,気腫性胃炎の起因菌と考えられた.カテーテルを用いた栄養管理にてC. butyricumによる気腫性胃炎が発症したと考えられた.整腸剤として投与されるミヤBM®の投与が人体に悪影響を及ぼすことがあることはあまり知られていない.気腫性胃炎も治療法が確立していない稀な病態であり,適切な対応が必要である.</p>

収録刊行物

  • 学会誌JSPEN

    学会誌JSPEN 3 (4), 254-259, 2021

    一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会

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