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- 栗川 直子
- 尚絅大学短期大学部
Abstract
<p>Lederら(2004)が提唱した芸術鑑賞と美的評価のモデルによると,絵画の解釈や評価に先立ち,対象が美的処理に値するものかどうか,自分が知っているものかどうか,あるカテゴリの典型例かどうかなどの判断が行われる。本研究ではこれを絵画らしさの判断と呼ぶ。対象が絵画らしいと感じられれば,美的評価はポジティブなものになることが先行研究により確認されているが,絵画らしさを判断する要因についてはまだ明らかになっていない。本研究では制作年代・様式の異なる絵画作品に対して写実性,再現性,おもしろさ,好ましさ,理解度の評定を求め,絵画らしさの評定値との関連を検討した。絵画らしさを目的変数とする重回帰分析の結果,写実性と理解度の影響が有意であった。また,制作年代・様式別によって絵画らしさの評定に有意な差がみられ,ロココ,フランス古典主義,写実主義,イタリアゴシックの絵画は,他の様式に比べてより絵画らしいと判断されていた。絵画らしさの判断には写実性がかかわっているが,写実的であれば絵画らしいというわけではなく,他の要因が介在す ることが示唆された。</p>
Journal
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- The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association
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The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association 85 (0), PI-023-PI-023, 2021
The Japanese Psychological Association
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390573242753912320
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- ISSN
- 24337609
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed