抑うつ傾向と反すうの関連妊産婦を対象として

抄録

<p>少子化対策,産後うつ病の予防等にとって,妊娠中のメンタルヘルスは重要な要因の一つである。妊産婦を対象にした研究から,2割~4割の妊婦に抑うつ傾向が認められることが明らかとなっている(たとえば日下部,2019)。抑うつ傾向の低減にはストレス・マネジメントの有効性が認められており,そのために妊産婦のストレッサー,認知的評価などが先行研究で明らかにされている。ところで,抑うつに関連する要因の一つとして反すうがあり(伊藤・竹中・上里,2001),成人や大学生を対象とした研究から,その関連性が認められている。そこで本研究は妊産婦の抑うつ傾向と反すうの関連を明らかにすることを目的とした。妊産婦100名(平均年齢35.07歳)を対象として,K6調査票日本語版,ネガティブな反すう尺度(伊藤・上里,2001)を用いて,2020年12月にインターネット調査を実施した。対象者の約半数で抑うつ傾向が高いこと,また,抑うつと反すうには有意な正の相関関係があったことから,妊娠中はもちろん,出産後のメンタルヘルスの上で,反すうへの対応を考慮に入れた,抑うつ傾向を低減させる介入が必要であることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ