抄録
<p>【背景・目的】絵本は子どもの発達に影響を与える身近なメディアであり,動物との間接的な出会いを提供する。最も身近な動物であるイヌとネコは子どもに効用をもたらす一方で,咬傷事故や動物虐待等の問題が存在し,原因の1つとしてイヌとネコの感情に対する子どもの理解不足がある。本研究は,絵本におけるイヌとネコの感情描写を定量的に分析し,絵本が子どもによる現実のイヌとネコの感情理解に与える影響や効果について考察を行った。【方法】家庭で所蔵する絵本のうち,イヌまたはネコ及び人が登場し,かつそれらの感情描写が確認できた92冊を対象とし,作成した調査項目に沿って記録した。【結果】イヌとネコの感情には,興味,喜び,驚きの描写が多かった。両者の感情の生起件数や生起理由には共通点と相違点が見られた。現実のイヌとネコに対する子どもの認識に影響を与えうる特徴的な感情描写が確認された。【考察】イヌとネコの感情描写には,それぞれの能力や生態,抱かれているイメージ等が影響していると考えられる。特徴的な感情描写が存在することから,絵本には子どもとイヌやネコとの良好な関係の構築への寄与が期待できる。</p>
収録刊行物
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- 日本心理学会大会発表論文集
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日本心理学会大会発表論文集 85 (0), PO-036-PO-036, 2021
公益社団法人 日本心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390573242758088192
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- ISSN
- 24337609
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可