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- 内村 慶士
- 東京大学
Abstract
<p>過重負荷を抱える現代の働く人において,仕事から離れたい私生活の時間も仕事について考え続けてしまう「仕事切り替え困難」が,ワーク・ライフ・バランスの実現を妨げている。有効な切り替え支援方策は明らかになっておらず,要因研究が不足している。本研究では,心身の状態に気づき,自分を労わろうとする「セルフケア意識」が,高いストレス下でも,仕事から上手に切り替えていくために重要な役割を持つと考えた。これを明らかにするため,企業に勤務する正規雇用者451名を対象に,オンラインによる横断的調査を行なった。仕事ストレスの測定にあたっては,JD-Rモデルに基づく「仕事の要求度」を用いた。その結果,「仕事の要求度」が,「仕事切り替え困難」を説明するモデルにおいて,「セルフケア意識」が有意な調整効果を持つことが明らかとなった(β=−.13, ΔR2=.016, p<.01)。すなわち,高い仕事ストレスを抱える人にとって,「セルフケア意識」が,仕事から切り替えるためのレジリエンスになる可能性が示唆されたと言える。今後,働く人の切り替え支援に向けた実践的な研究に発展することが期待される。</p>
Journal
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- The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association
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The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association 85 (0), PQ-032-PQ-032, 2021
The Japanese Psychological Association
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390573242762173312
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- ISSN
- 24337609
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed