リキッドバイオプシーはがんゲノム医療をどう変えるか

DOI
  • 中村 能章
    国立がん研究センター東病院 トランスレーショナルリサーチ支援室 国立がん研究センター東病院消化管内科

書誌事項

タイトル別名
  • Paradigm shift of cancer precision medicine by liquid biopsy

抄録

<p> リキッドバイオプシーの中でも、血液循環腫瘍DNA(ctDNA)解析は高い精度で遺伝子異常を同定することが可能である。れが国においてもctDNAの遺伝子パネル検査が承認され、今後がんゲノム医療に役立てられることが期待されている。がんゲノムプロファイリングにおいて、ctDNA解析は腫瘍組織解析と比較して結果の返却が早く、また遺伝子異常の不均一性を評価できるという利点がある。われわれはSCRUM-Japanの全国消化器がんバイオマーカースクリーニングプロジェクトGI-SCREENの基盤をもとに、ctDNAを用いたスクリーニング試験GOZILAを開始した。GOZILAとGI-SCREENを比較した大規模試験において、ctDNA解析によるゲノムプロファイリングが治療効果を損うことなく、結果返却までの時間を短縮し、患者の登録率を向上させるという利点があった。また、組織解析では検出できなかった遺伝子異常がctDNA解析で同定され、それに基づくがんゲノム医療で治療効果を認めた症例も経験している。現在われわれは、これらctDNA解析の有用性に基づき、進行固形がん患者を対象としたアンブレラ/バスケット型の臨床試験を実施している。</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 21 (4), 109-113, 2022-03-31

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573242773732736
  • DOI
    10.18976/jsht.21.4_109
  • ISSN
    24356808
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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