なゆたNIC近赤外線撮像観測による遠方クェーサーの変光調査

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タイトル別名
  • A study of the luminosity variability of distant quasars by near-infrared imaging with Nayuta/NIC

抄録

遠方宇宙の明るい活動銀河核クェーサーの大質量ブラックホールの起源は大きな謎である.この問題を議論する一つの方法として,クェーサーの変光を観測することが考えられる.そこで私たちは,4つのクェーサー,PSO183+05(赤方偏移z =6.44),PSO338+29(赤方偏移z = 6.66),ULASJ1120+0641(赤方偏移z =7.09),ULASJ1342+0928 (赤方偏移z = 7.54)について,なゆた望遠鏡NICを用いて,J,H,Ksの3バンド同時撮像を1週間~2年間に渡って行なった.それぞれのターゲットの変光の有無について,文献値との比較も行い調査した.PSO338+29とULASJ1342+0928のJバンドについて,∼2σ程度の変光の兆候が見られた.今後,継続して観測を行い変光が実際に起きているのか確認していく必要がある.また,変光調査の性質上,等級を正確に求めることが重要であり,慎重に検討を行なった.そのため本研究では,誤差をポアソン誤差,ゼロ点補正誤差,周辺星補正誤差の3つの成分からなると考え,誤差を評価した.さらに2021年の観測では,誤差を改善するためディザリング点数を10点から7点に変えて観測を行なった.ディザリング点数の変更による,測光誤差への影響は見られなかった.他の誤差への影響は今後の検討課題である.

収録刊行物

  • Stars and Galaxies

    Stars and Galaxies 4 (0), 4-, 2022

    兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573242805629696
  • DOI
    10.32231/starsandgalaxies.4.0_4
  • ISSN
    2434270X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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