国立保健医療科学院における保健師の現任教育の歴史的変遷と貢献

書誌事項

タイトル別名
  • Historical transition and contributions of the continuous training programs for public health nurses at the National Institute of Public Health

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説明

<p>目的:本稿の目的は,公衆衛生看護の歴史に基づき,保健師の基礎教育と国立保健医療科学院における現任教育の変遷を整理し,今後の人材育成について示唆を得ることである.</p><p>方法:文献検索は,医学中央雑誌Web,保健婦雑誌/保健師ジャーナル,保健医療科学を用いて,保健師の養成や教育および保健活動等に関する文献を抽出した.さらに本院の養成訓練に関する事柄については,記念誌,年表,業務要覧,業績集等を参照した.</p><p>結果:保健医療科学院は,公衆衛生従事者向けに短期研修と長期研修の 2 種類の研修プログラムを提供している.保健師が社会情勢の変化に即応しながら活動するためには,その知識と技術を常に更新していく必要がある.保健婦規則制定以来,保健師は一貫して地域の健康課題を解決し,制度や行政施策を展開してきた.国立公衆衛生院・国立保健医療科学院は,第 2 次世界大戦の期間を除き,保健師の継続的な教育プログラムを提供し,国家資格を保持する保健師の質の維持・向上のための責任を担ってきた.さらに,保健師の現任教育および将来のリーダー養成のための教育プログラムを提供したことが示された.</p><p>結論:国立保健医療科学院は,時代の変化と健康課題の変遷に合わせながら,リーダーとなる保健婦の人材育成のための継続的な養成コースを提供してきたことが示された.今後は,地域の健康課題を推測し,住民にとって何が必要なのかを考え,リーダーシップを発揮できる保健師の人材育成をより一層推進していく必要がある.また,研修を修了した保健師が各自治体でより効果的な人材育成を推進できるように,さらなる現任教育の充実を図っていくことが課題である.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 71 (1), 7-16, 2022-02-01

    国立保健医療科学院

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