P-1-D-04 ヒト・メタニューモウイルスが原因と思われた重症児病棟内集団感染

DOI
  • 関 千夏
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 小児科
  • 小林 信や
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 外科
  • 岡本 講平
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 外科
  • 黒川 公平
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 外科
  • 関 ひろみ
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 小児科
  • 野呂 瀬昇
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 小児科
  • 田中 薫
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 内科
  • 駒澤 勇蔵
    独立行政法人 国立病院機構 東長野病院 看護課

抄録

はじめに 近年、重症心身障害児(以下、重症児)病棟において、ヒト・メタニューモウイルス(hMPV)等による集団発生の報告が散見される。最近、当院でも急性呼吸器感染症の集団発生を経験した。初期の1例がhMPV迅速検査陽性で、hMPVによる集団感染が疑われた。看護師、療育介助員および看護助手にまで感染が拡大した。この感染全体像につき報告した。 対象および方法 2013.4.04-23までに、当院重症児病棟のぞみB入院患者のうち29例(29/39 74%)が集団感染した。また、この期間に咳嗽を主とした感染を呈した職員は18名(18/30 60%)であった。回顧的な自己記入の症状経過表から職員の感染の推移についても検討した。さらに、当病棟の感染対策について検討した。 経過 初発は4.04で、発症のピークは4.11および4.16でそれぞれ4例が発症し終息に向かった。職員感染においては、咳嗽が主体であり発熱を伴ったものは6名であった。この感染は患者発症にやや遅れて拡大傾向となり患者感染のピーク(4.16)後も症状遷延した。感染対策は以下であった。1.感染初期に、全病棟で外泊、面会を禁止し、病棟間交流も中止とした。2.標準予防策に加えて飛沫感染予防策を徹底した。しかし、感染力が強く職員の6割が感染する結果となった。3.感染拡大後、職員の健康チェックを毎日行い体調不良者の把握に努めた。発熱者3名が休暇取得した。4.感染者隔離では4.05に39℃以上発熱した3名を隔離した。その後、感染者増加に伴い逆隔離を中心とするベッドコントロールに方針を変えた。結果的に、2名が感染を免れ、重症化した2名は的確に隔離されていた。 まとめ hMPVが原因として疑われる集団感染を経験した。他病棟に伝搬することなく、感染コントロールできた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573407595788032
  • DOI
    10.24635/jsmid.38.2_303_1
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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