Rhythmical Skeletal Muscle Tension(RSMT)変法の検討

DOI
  • 髙橋 佑弥
    旭川医科大学病院 リハビリテーション部
  • 及川 欧
    旭川医科大学病院 リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Application of modified Rhythmical Skeletal Muscle Tension (RSMT)
  • ―For a Case of Essential Tremor―
  • ―本態性振戦を呈した一症例に対して―

抄録

<p> 【はじめに】心拍変動バイオフィードバック(以下,HRV-BF)は,身体的・心理的障害に対して臨床的に応用されてきた.その中の一つの方法として,呼吸ではなくリズミカルな骨格筋緊張(rhythmical skeletal muscle tension;以下,RSMT)によって,HRV-BFにおける0.1Hz(6回/分)の心臓血管系の共鳴効果をもたらす研究が報告されている.今回,我々はRSMT変法として5秒間の手指集団屈曲を伴う手関節背屈運動後,5秒間の手指集団伸展を伴う手関節掌屈運動を考案し,本態性振戦の症例で改善を得られたので報告する.対象患者からは同意を得ており,開示すべき利益相反はない.</p><p> 【対象と方法】対象は,交通事故後に本態性振戦を呈して8カ月持続した10代女性.精査入院に併せてリハビリテーション科を紹介され,受診.はじめに実施方法を説明したところ,机上に上肢を設置して行うことを自己選択.「握って」「離して」と5秒間隔の声掛けによって指導し,5分間実践した.実施期間は4日間,書字とビデオ撮影によって効果判定をおこなった.</p><p> 【結果と考察】介入初日より直ちに本態性振戦の振幅減少を確認し,本人は「心が落ち着く感じ」と実感.4日目(退院日)には頭部・下肢の症状は消失し,字体崩れは大幅に改善を認めた.退院後,11週間自宅で練習していただいた.再来院時に,まだ振戦は強く感じている時間帯はあるようだが,自己練習直後に楽になっていることを話された.当日も座って緊張を除去するだけで振戦の改善を得られた.RSMT変法は簡便に実践できるため,幅広い疾患に適応できる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573407622924416
  • DOI
    10.20595/jjbf.49.1_29
  • ISSN
    24323888
    03861856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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