摂食障害の精神療法

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書誌事項

タイトル別名
  • Psychotherapy for Eating Disorders : Assessment Skills and Creativity in General Ambulant Treatment
  • ―診立てのコツと一般外来での工夫―

抄録

<p>摂食障害の治療は容易ではないが,その精神病理を理解し適切に診立てることで,患者に応じた精神療法を行うことができる.摂食障害の症状の本質は「こだわり」であり,その背景には自己存在の不確かさに由来する「完璧主義」が認められる.症状が慢性化しやすい理由としては,摂食障害が「嗜癖」という側面をもっていることと,他者からの評価を過剰に意識する「自己過敏傾向」が存在することが挙げられる.診立てるためには,摂食障害のステージ,パーソナリティのタイプ,動機づけレベルの3つの軸から評価すべきである.すなわち,ステージは初期・持続期・慢性期,タイプは反応葛藤型・固執型・衝動型,動機づけレベルは回復の段階・怯えの段階・否認の段階と分けて病理の深さを評価する.外来診療では,簡易版認知行動療法を中心に据えながら,病理の深さに応じた治療的アプローチを行う.治療者が患者とともに回復のイメージを共有することが重要である.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (3), 215-219, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573407622925312
  • DOI
    10.15064/jjpm.62.3_215
  • ISSN
    21895996
    03850307
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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