接続表現サヨウナラ(バ)の機能変化

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  • セツゾク ヒョウゲン サヨウナラ(バ)ノ キノウ ヘンカ

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抄録

サヨウナラ(バ)には“別れの挨拶語”とも順接仮定条件を表す接続表現とも言い難い例が存する。本稿ではこれを、接続表現サヨウナラ(バ)が“別れの挨拶語”化する過渡的段階と考え、接続詞サヨウナラ(バ)と呼ぶ。接続表現サヨウナラ(バ)が個々の要素に分析でき、順接仮定条件を主に表すのに対し、接続詞サヨウナラ(バ)は一語化して指示の機能が不明瞭化し、場面を展開する機能(場面展開機能)が顕著になったものと考える。本稿では、サヨウナラ(バ)の“別れの挨拶語”化の過程を記述する一端として、接続詞化の過程を記述する。サヨウナラ(バ)の指示性が明瞭から不明瞭へ、サヨウナラ(バ)の中心的な用法が順接仮定条件から場面展開機能へと変化する過程を調査したところ、指示性不明瞭の例・場面展開機能を有する例ともに18世紀後半以降、上方・江戸双方において顕著に見出せるようになることが確認できた。サヨウナラ(バ)は18世紀後半頃に接続詞化したと考える。

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