地域在住高齢者におけるポジティブ心理学的介入を取り入れたうつ予防プログラムの効果

書誌事項

タイトル別名
  • EFFECTIVENESS OF POSITIVE PSYCHOLOGY-BASED DEPRESSION PREVENTION PROGRAMS AMONG COMMUNITY-DWELLING OLDER ADULTS
  • チイキ ザイジュウ コウレイシャ ニ オケル ポジティブ シンリガクテキ カイニュウ オ トリイレタ ウツ ヨボウ プログラム ノ コウカ

この論文をさがす

抄録

<p>目的:ポジティブ心理学的介入の手法を取り入れたハッピープログラムが,地域在住高齢者の心理・精神的健康に及ぼす効果を検証することを目的とした.</p><p>方法:2009年度に東京都 A市が 65歳以上の全住民に郵送で実施した,介護予防事業対象者把握のための基本チェックリストの回答者 27,760名(回答率 72.6%)のうち,うつに関する 5項目中 2項目以上に該当する者 6,225名に対し,ハッピープログラムを用いたうつ予防教室参加者募集のチラシを発送した.結果,ハッピープログラム(週 1回 120分,合計 12回)の参加希望があった 65名を介入群,介入群と性別,年齢,居住地域,基本チェックリストのうつに関する項目の該当数が一致する 195名を対照群とした.プログラム介入前後に質問紙調査を実施し,有効回答が得られた者のうち,精神疾患の既往があり,かつ事前調査時に「抑うつ状態(Geriatric DepressionScale短縮版,GDS;6点以上)」に該当する者を除外した 128名(介入群:n=41;平均年齢 71.4歳,対照群 :n=87;平均年齢 71.7歳)を分析対象とした.抑うつ状態(GDS),睡眠状況(Athene Insomnia Scale,AIS),不安状態(State-TraitAnxiety Inventory,STAI),主観的幸福感(Fordyce Emotions Questionnaire,FEQ)を評価指標とし,反復測定による二元配置分散分析を実施した.</p><p>結果:GDS得点,AIS得点,SAI得点,TAI得点において,群と調査時期の 2要因間に有意な交互作用が認められ,いずれの評価指標も介入群でのみ事前事後で平均得点の有意な低下が認められた(いずれもp<0.001).</p><p>結論:ポジティブ心理学的介入の手法を取り入れたハッピープログラムは,抑うつ状態,不眠,不安の改善に有用であることが明らかにされ,地域在住高齢者のうつ予防ならびに精神的健康の維持・増進に効果的であることが示唆された.</p>

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ