「不」に応える:mRNAワクチン/医薬のデリバリー

  • 内田 智士
    京都府立医科大学 大学院医学研究科 医系化学 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)

書誌事項

タイトル別名
  • Answering to social issues – Delivery of mRNA vaccines and therapeutics

抄録

新型コロナウイルスのパンデミックは、医療、社会生活の「不」となったが、mRNAワクチンが速やかにこの「不」に応えた。一方で、日本のワクチン開発における遅れは、供給や経済的な面で「不」となっている。mRNAは、がん、遺伝性疾患の治療といった感染症予防ワクチン以外の分野でも有望であり、将来、少子高齢化社会の医療における「不」に応えるであろう。mRNAワクチン開発にDDS技術が重要な役割を果たしてきたことを鑑みると、日本には、独自のDDS技術を基盤として、今後のmRNAワクチン、医薬の開発に貢献できる余地が大いにある。本稿では、DDSに絞り、脂質や高分子を用いた人工mRNAナノ粒子の設計から、天然由来の細胞外小胞、naked mRNAの利用に至るまで、さまざまなシステムを紹介する。

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参考文献 (37)*注記

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