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- 大類 洋
- 横浜薬科大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Anti-Viral Modified Nucleosides: Can We Develop Modified Nucleosides Highly Active against Coronavirus?
- 新型コロナウイルスに効く優れた修飾ヌクレオシドの開発は可能か?
抄録
<p>新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のパンデミックによって,私達は未来永劫続くであろう「ウイルスとの闘い」を再認識させられた.ウイルスの発見,特にRNAウイルスの発見は,分子生物学の基本概念である「セントラルドグマ」に修正を迫るなど生命科学に大きな衝撃を与え,2020年のノーベル医学生理学賞は「C型肝炎ウイルスの発見」に授与された.ウイルスの脅威に立ち向かうため,ワクチンや抗ウイルス薬の開発研究が盛んに行われている.抗ウイルス修飾ヌクレオシド薬は,ウイルスの核酸ポリメラーゼ(本解説ではDNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼを合わせて核酸ポリメラーゼとします)を阻害するものであるから,すべてのウイルスに対して開発が可能と思われるが実際には難しい.本稿ではこれまでに「ウイルスとの闘い」で顕著な成果を上げている抗ウイルス修飾ヌクレオシド薬の特徴,および問題点などを有機化学的観点から捉え,現在最重要課題である新型コロナウイルスに対する優れた修飾ヌクレオシド薬開発の可能性について考える.本稿を読んで多くの研究者が抗ウイルス修飾ヌクレオシドの開発研究に関心をもってくれることを願っている.</p>
収録刊行物
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- 化学と生物
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化学と生物 59 (5), 233-240, 2021-05-01
公益社団法人 日本農芸化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390573407645316480
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- ISSN
- 18836852
- 0453073X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可