初期臨床研修1 年経過前後におけるSOC 推移とその関連因子に関する検討

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タイトル別名
  • Analysis of Factors Affecting SOC during Residency Training
  • ショキ リンショウ ケンシュウ 1ネン ケイカ ゼンゴ ニ オケル SOC スイイ ト ソノ カンレン インシ ニ カンスル ケントウ

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説明

大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格した者が行う初期臨床研修において、初期臨床研修医は様々なストレスに直面する。SOC(Sense of Coherence:首尾一貫感覚)は、ストレス対処や健康保持能力に有用と言われている。また、不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持できる特性や能力として、レジリエンスという概念も提唱されている。レジリエンス尺度として、精神的回復力尺度(ARS:Adolescent Resilience Scale)が挙げられる。初期臨床研修におけるSOC の推移とその関連要因について検討するため、初期臨床研修医80 名を対象として、新規採用時および研修1 年経過時の計2 回、日本語版SOC-13 を用いた自記式質問紙調査、および、ARS について調査を行った。一般コース(2 年一貫の大学病院研修)で研修1 年後のSOC の有意味感が減少し、同時期のたすきがけコース(1 年目:連携病院研修 2 年目:大学病院研修)に比較して有意差を認めた。たすきがけコース研修1 年後の把握可能感・処理可能感が上昇した。研修前ARS 総点と研修前SOC 総点に弱い相関関係を認め、ARS 総点が低い研修医ほど、SOC も同様に低い傾向を認めた。初期臨床研修中のみならず、その後の経時的な推移の解析の有用性が示唆されたためここに報告する。

収録刊行物

  • 大學教育研究

    大學教育研究 30 35-47, 2022-03

    神戸大学大学教育推進機構

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