O-2-B-07 骨形成不全症2型の女児に対する当院でのハビリテーションの取り組み

DOI
  • 森 真野
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション技術部
  • 李 容桂
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 小児科
  • 寺田 明佳
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 小児科

抄録

はじめに 骨形成不全症(以下、OI)2型は、生命予後不良であり、長期的経過の報告は稀である。今回、患児に対する当院でのハビリテーションの介入、および母子支援について報告する。 症例紹介 5歳女児、診断名OI2型、多発骨折、嚥下障害(経鼻栄養)、水頭症。2011年7月、当院入院、理学療法・作業療法・言語聴覚療法開始。身長60cm、体重8kg。ADL:WeeFIM23点(運動13/認知10)。母子家庭、児のケアはやや大胆であり、病状理解に乏しい様子あり。母からは、抱っこがしたい。お風呂に入れてあげたい。散歩もしてみたい。と強い希望があった。母への対応は、母と児の時間を見守る方法で統一。児は、未経験の感覚刺激にも、楽しむ様子が見られた。社会性や理解力の発達に応じ、意思伝達の方法は、ハンドサインやスイッチを使用した。入院から4回骨折あり、そのたび主治医からリスク面の説明を行い、病態を理解される反応が見られるようになった。環境面では、工房と母も協力し、バギー、座位保持装置を作成。活動面では、三間表を用い、活動時間・場所・人を調整。バギーでの移動範囲を屋内から段階付けて実施し、屋外の外出が可能となった。母からは「(スタッフが)一緒に居てくれてよかった。」との発言が聞かれた。2013年6月、身長66cm、体重11.1kg。ADL:WeeFIM26点(認知15)。 考察 茂原は、OIの子どもへの直接介入はリスクを伴うため、信頼関係の樹立を確認しつつ、インフォームド・コンセントを得て徐々に介入することと述べている。本症例は、骨折リスクが高く、介助方法や訓練場面に配慮する必要があり、母の希望を児の目標としてすすめるにおいて、リスクの共通理解は必要であった。チームで母の見方を理解するように見守り、児の成長・発達を伝え、喜びを共感することで、信頼関係を築くことができたと考える。その中で母に対して支える姿勢をとることが、母の変化につながったのではないかと思われる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573407662472704
  • DOI
    10.24635/jsmid.38.2_291_2
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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