デグロービング損傷を伴う下腿開放骨折に対して髄内釘固定及び遊離広背筋皮弁で治療した1例

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抄録

<p>【はじめに】デグロービング損傷では剥脱した皮膚をそのまま縫合すると,大部分の皮膚が壊死に陥ることがあり,初期治療範囲の決定が困難である.今回,デグロービング損傷を伴う下腿開放骨折の1例を経験し,遊離広背筋皮弁での軟部組織の治療を行い,良好な経過を得たため報告する.【症例】25歳,男性.自転車で走行中にトラックに巻き込まれ当院搬送となった.下腿に皮膚欠損(5×10cm)とデグロービング損傷(20×30cm)を認めていた.単純X線ではAO分類42B1を呈しており,Gustilo分類は3B,土田分類:第3群であった.受傷同日にデブリードマンと創外固定を行い,受傷後2日目に腓腹筋内側頭とヒラメ筋による筋弁を行った.筋弁後7日目に内固定を行うも筋弁部は徐々に壊死傾向を認めたため受傷後16日目に遊離広背筋皮弁を行った.軟部組織の生着は良好で術後5か月で走ることも可能となった.【考察】皮膚欠損を伴う開放骨折の治療はFix & Flapが主流だが術者や時間などの制約が多くハードルが高いのが現状である.軟部組織の生存範囲の決定は今後の検討課題であるがFix followed by flapにより感染を増悪させずに良好な結果が得ることができた.</p>

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