[原著短報] 入院管理を行った新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の小児39例の特徴

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  • [Original Short Communication] The clinical characteristics of 39 pediatric cases of COVID-19

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抄録

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[要旨]2020年5 月1 日から12月31日までの期間に,当院にて入院管理を行ったCOVID-19の小児患者39例について後方視的に検討した。年齢は0 歳10か月から13歳5 か月と幅広く,性差はみられなかった。感染経路は周囲の成人からの感染が全体の約75%と多くを占めていた。一般的に小児のCOVID-19は重症化しにくいと言われており,当院においても約半数は無症状であり,症状があったとしても多くは対症療法のみで自然軽快し,人工呼吸管理を要する重症例は見られなかった。在院日数は最短3 日,最長11日で中央値は7 日間であった。ただ,2020年12月以降国内でも確認されるようになった変異株の流行によって小児における感染状況,症状は変化する可能性があり,今後の動向には細心の注意が必要である。2021年8 月現在,65歳以上の高齢者を中心にワクチン接種が進み,新規感染者に占める高齢者の割合は低下傾向にあるが,ワクチン未接種の年齢層での感染は増加している。しかし12歳未満の小児は新型コロナウイルスワクチン接種の対象となっておらず,ワクチン接種による感染予防は困難である。日本小児科学会の提言にもあるように,まずは周囲の成人がワクチン接種を含めた感染予防を行い,小児への感染を防ぐ必要がある。

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