慢性膵炎に対する膵全摘+自家膵島移植術について

DOI
  • 霜田 雅之
    国立国際医療研究センター 研究所 膵島移植プロジェクト 国立国際医療研究センター病院 肝胆膵外科
  • 伊藤 橋司
    国立国際医療研究センター病院 肝胆膵外科
  • 丸山 浩司
    国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科
  • 中條 大輔
    国立国際医療研究センター 研究所 膵島移植プロジェクト 国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 富山大学附属病院 臨床研究管理センター
  • 梶尾 裕
    国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科
  • 柳瀬 幹雄
    国立国際医療研究センター病院 消化器内科
  • 日野原 千速
    国立国際医療研究センター病院 緩和ケア科
  • 徳原 真
    国立国際医療研究センター病院 緩和ケア科
  • 枝元 良広
    誠馨会セコメディック病院 外科
  • 竹村 信行
    国立国際医療研究センター病院 肝胆膵外科
  • 國土 典宏
    国立国際医療研究センター病院 肝胆膵外科

抄録

<p>背景:激しい痛みを伴う慢性膵炎に対する膵全摘術および自家膵島移植(TPIAT)は,痛みの軽減を図りながら術後の膵性糖尿病を緩和し,良好な血糖コントロールを実現する治療法として,欧米を中心に行われている。しかし,日本ではこれまでに行われた実施数は限られている。今回,当院でTPIATを施行した5症例の経験を提示し、欧米の報告を踏まえて考察する。</p><p></p><p>方法:2016年8月から2019年6月までに、5名の患者が当院でTPIATを受けた。コラゲナーゼによる消化を用いて摘出膵臓から膵島を分離した。1例では膵島純化を行った。懸濁した膵島組織は手術中に門脈に注入し、肝臓内に移植された。</p><p></p><p>結果:移植された膵島量の中央値は270,967 IEQ(range、116,068-467,042 IEQ)であった。すべての患者で疼痛スコアは改善していた。すべての患者は12か月間移植片の機能を維持し、安定した血糖コントロールを得た。1名の患者はTPIAT後2か月目からインスリン注射不要で経過した。</p><p></p><p>考察:TPIATは、日本人患者においても、大幅な疼痛緩和と良好な血糖コントロールにより、患者のQOLを向上させる治療法となりうる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s536-s536, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573504947385600
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s536
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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