長時間作用性抗コリン薬吸入を導入した重症乳幼児喘息の4例

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タイトル別名
  • SEVERE INFANTILE ASTHMA TREATED WITH LONG-ACTING MUSCARINIC ANTAGONIST: A CASE SERIES

抄録

<p>【背景】長時間作用性抗コリン薬(LAMA)は成人の気管支喘息長期管理薬として使用されているが,本邦で小児への適応はなく,報告も少ない.しかし,重症気管支喘息例,アトピー素因がない症例では現行治療ではコントロールに難渋することがある.今回,小児乳幼児喘息患者にLAMAを導入したので経過を報告する.</p><p>【症例】4例のうち女児3例,1~3歳時に乳幼児喘息と診断され,3~5歳でLAMAを導入した.3例はアペール症候群,ヌーナン症候群等の基礎疾患のある非IgE関連喘息,1例は基礎疾患のないIgE関連重症喘息であった.全例中用量~高用量の吸入ステロイド(ICS)等で長期管理薬を行っていたが,入院や集中治療管理を繰り返すこともあるコントロール不良な重症持続型,最重症持続型の気管支喘息であり,また分泌物コントロールに難渋した例もあり,LAMAとしてチオトロピウム(Tio)2.5μg/日を導入した.全例Tio導入後には入院を要する急性増悪はなく,喘鳴が出現する回数も軽減した.また,最長19カ月投与したが副作用はなかった.</p><p>【結語】乳幼児喘息でもLAMAの有効性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 71 (3), 248-253, 2022

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573560406638592
  • DOI
    10.15036/arerugi.71.248
  • ISSN
    13477935
    00214884
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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