『夷堅志』の佚文・佚条の輯佚 : 鄒迪光『勧戒図説』の場合を例に《論文》

抄録

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洪邁の『夷堅志』は420 巻という大部な作品であり,一括上梓されることがなかったため,現存するものはあわせてもそのおよそ半数に過ぎない。このため,夙に佚文の輯佚が行われており,成果も着実に上がっている。だが,『夷堅志』と出典を明記する,おそらく原文を忠実に引用したとみられる佚文を越え,原文を節略したり一部分のみ引用したりしたと思われる佚条の輯佚を志すと,『夷堅志』の成立過程をめぐる事情や後世の類書の存在もあり,考慮しなければならない要因が増え,その当否の確実性にも疑問符がつくことになる。本論は,そうした『夷堅志』の佚文・佚条輯佚をめぐる現状の検討を踏まえ,明の万暦年間に鄒迪光により編輯された『勧戒図説』に『夷堅志』の佚条を探ろうとする場合の問題点を指摘したものである。 洪迈的《夷坚志》为420 巻宏幅巨作,因非一起上梓,现存卷目合计亦不过其半。因此,学界对其佚文的辑佚夙来已有,颇见成果。但是要辑佚有些明记“出《夷坚志》”的,似乎忠实引用原本的佚文以外的,或节略原文或部分引用的佚条,必然要考虑《夷坚志》的成立过程,以及其后成立的同类书籍的存在等各种因素,从而会发生判断准确与否的疑点。本论先整理《夷坚志》佚文・佚条辑佚工作中所存在的如上尚未厘清之点,再具体指出了从明万历时邹迪光所编《劝戒图说》中搜辑《夷坚志》佚条的的几个问题

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