オゾン化ノンアルコール消毒剤の抗アデノウイルス活性について

DOI Web Site 参考文献9件 オープンアクセス
  • 花岡 希
    国立感染症研究所感染危機管理研究センター
  • 吉田 英一
    株式会社E・テック医療機器開発研究所
  • 藤本 嗣人
    国立感染症研究所感染危機管理研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of the Anti-adenoviral Activity of Ozonated Non-alcohol Disinfectant

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説明

<p>Human mastadenovirus(HAdV)は,一般的な手指消毒薬には強い抵抗性を示す.HAdVによって引き起こされる流行性角結膜炎や咽頭結膜熱は,院内感染や集団感染など,爆発的な感染を引き起こすことがある.また,HAdV-11による出血性膀胱炎やDICも造血幹細胞移植時に大きな問題となっている.HAdV感染症に対する効果的な抗ウイルス剤は今のところないため,消毒薬による感染拡大の防止が重要である.</p><p>オゾンの殺菌,殺ウイルス能力はすでに広く知られている.我々は,2019年に,オゾン化アルコール製剤が高い殺HAdV効果を有することを報告した.一方,アルコール消毒薬は,対象素材の問題等によって使用が難しい場合もある.そこで,本研究では,オゾンをアルコールではなく,オイル内に安定化させた薬剤の消毒薬としての能力を評価するため,アデノウイルスを用いて,抗ウイルス活性を評価した.既報と同様に30秒から5分間までの反応時間でウイルスの生存率を評価した.試験の結果,各HAdV型で若干の反応性の違いが確認されたが,薬剤の作用開始から30秒で70%以上ウイルスを死滅し,3分間にウイルス生存率を1/100に低下させ死滅させた.オゾン化ノンアルコール製剤は,殺HAdV効果を有することが確認できた.</p>

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