書誌事項
- タイトル別名
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- J-REIT ノ IPO ニ オケル スポンサー ノ ヤクワリ
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抄録
<p>本研究は,J-REITにおけるスポンサーの定義の曖昧さを解消するために,メインスポンサーとサブスポンサーの定義を明確にしたうえで,2001年から2019年の間にIPOを行った79社の日本の不動産投資法人に対するIPO時点のスポンサーの追加出資(IPO時の親引け)に注目し,当該スポンサーがIPO時の過小値付けとIPO後の企業価値にどのような役割を果たすかについて分析を行った.まず,過小値付けに関しては,IPO時のスポンサーの追加出資と過小値付けに正の関係があること,過小値付けがIPO後の公募増資を早めることがわかり,概ねシグナリング仮説を支持し,過小値付けの程度が大きい一般事業会社のIPOとは異なる結果が得られた.不動産投資法人と投資家との間の情報の非対称性が限定的になるIPO後の企業価値に関しては,IPO時のスポンサーの追加出資はIPO直後3年間の企業価値と正の関係があり,スポンサーと投資家間の利益相反問題を軽減する役割を果たしていることが確認された.以上を踏まえると,J-REITのIPO時におけるスポンサーの追加出資は,IPO時には不動産投資法人の質の差別化を図るシグナリング手段としての役割を,IPO後には,オーナー経営者であるスポンサーと投資家との利害を一致させるコミットメントとしての役割を担うという,二重の役割を果たしていることを示唆する.</p>
収録刊行物
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- 現代ファイナンス
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現代ファイナンス 45 (0), 31-58, 2022-05-31
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390573715160717312
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- NII書誌ID
- AA11480424
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- ISSN
- 24334464
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- NDL書誌ID
- 032231040
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可