岐阜県における木造駅舎の基礎的研究

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タイトル別名
  • 近代木造駅舎の建築的特徴

抄録

本研究では,近代に岐阜県内に建設された木造駅舎と標準図との比較・考察を通して,各木造駅舎の建築的特徴を分析した。多くの木造駅舎は明治・大正・昭和の各時代 標準図を参照しており,鉄道院・鉄道省時代の近代における鉄道施設の積極的な標準化の結果が確認できた。さらに,標準図の中でも最小規模のものを多数採用するなど,鉄道路線が山間部に延びる岐阜県の地方路線ならではの特色も把握された。なお,標準図には「些少ノ変更」が許されており,これによって鉄道路線や地域性を要因とした建築的特徴が各木造駅舎の細部意匠に表れていることが明らかとなった。 また,観光地であることや,駅舎内に鉄道会社の本社機能を設けるために,標準図とは異なる独自の平面構成や外観形状を持つ木造駅舎も例外的に確認できた。 今後このような客観的なデータが,各駅舎の建築的価値,または地域資産としての価値を認識する一助として活用されることが望まれる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390573726322535552
  • DOI
    10.50981/jasis.29.0_45
  • ISSN
    24355542
    18824471
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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