産後1 か月の褥婦における肛門挙筋のavulsion の割合と肛門挙筋裂孔のサイズとの関係
書誌事項
- タイトル別名
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- The prevalence of levator avulsion among women at one month postpartum and its relationship to the size of levator hiatus
説明
<p>【目的】産後1 か月の褥婦において肛門挙筋の剥離損傷(avulsion)を有する割合を調査し、avulsion の有無と肛門挙筋裂孔の面積との関係を明らかにすることである。</p><p>【方法】既存データを2 次的に分析した。産後1 か月の褥婦89 名を対象に、avulsion の有無と肛門挙筋裂孔の面積を超音波検査にて評価した。経会陰的に正中矢状断を描出した後、恥骨結合後縁と直腸肛門角の距離が最小となる平面での横断面(基準断面)を合成し、肛門挙筋裂孔の面積を測定した。さらに肛門挙筋裂孔の基準断面1 枚、基準断面から2.5mm 毎に頭側5mm までの2 枚、計3 枚の断層像を描出し、avulsion の有無を判定した。</p><p>【結果】avulsion を有する褥婦は12 名(13.5%)で、3 枚全ての画像に欠損が認められるcomplete avulsion が 4 名、1 枚もしくは2 枚に欠損が認められるpartial avulsion が8 名であった。努責時の肛門挙筋裂孔の面積はavulsion を有する褥婦で有意に拡張していた(中央値21.36cm 2 vs17.87cm 2 ; p=0.037)。肛門挙筋裂孔の面積が25cm 2 以上の異常な拡張(ballooning)に該当するのは12 名(13.5%)で、その割合はavulsion を有する褥婦で有意に高かった(41.7%vs9.1%; p=0.009)。</p><p>【結論】本研究の褥婦においてavulsion を有する割合は13.5% で、先行研究に比較して少なかった。avulsion を有する褥婦では肛門挙筋裂孔が拡張し、ballooning を有する割合が高かった。</p>
収録刊行物
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- 日本女性骨盤底医学会誌
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日本女性骨盤底医学会誌 18 (1), 63-71, 2022-06-10
日本女性骨盤底医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390573825970745088
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- ISSN
- 24348996
- 21875669
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可