分解吸収性材料(ポリ乳酸)を用いた静脈ステントの開発―静脈閉塞症に対する新たな治療デバイスとして―

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タイトル別名
  • Development of Biodegradable Stent of Poli-L-lactic Acid in Veins -The New Device for Venous Obstructive Disease-

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抄録

<p>分解吸収性バイオマテリアルは生体の損傷部位に埋入され,組織が再生したのちに生体内で分解・吸収される.ステントの素材は,ポリ孝L酸(poly-L-lactic acid: PLLA),大さ0.3mmのフィラメントで,径6mm,長さ40mmの円筒状に編んだ静脈ステントをイヌの腸骨静脈内に挿入し,超音波カラードップラー装置により開存を経時的に確認しつつ,4カ月後に組織を回収し,生体適合性を評価した.超音波カラードップラー検査では,全経過を通じて腸骨静脈は開存していた.ステントエコーは,4週日以降は静脈壁とのコントラストが不明瞭になった.4カ月後のステント挿入部は内腔が保持され,血栓形成,狭窄は認めず,内腔は滑択,とくにステント挿入部断端と静脈の接合部は平滑であつた.病理組織では,ステントのフィラメントが,比較的少ない線維性組織で囲まれ,炎症細胞の浸潤は乏しく,生体適合性は良好であつた.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 16 (4), 291-296, 2005

    日本静脈学会

参考文献 (5)*注記

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